10干の”己”の読み方と、その特徴は何ですか?
己 | 五行 | 方位 | 12支 | 陰陽 | 八卦 | 味覚 | 九星 | 数理 | 色彩 | 季節 |
き | 土気 | 西南 | 未.丑 | 陰 ● | ☷ | 甘み | 二黒 | 5と10 | 薄鼠 | 土用 |
己は<き>と発音、日本では<つちのと>と読みます。五行では土で、春夏秋冬の土用を司ります。春の終わりを告げなければ夏は来ません。夏の終わりを告げるのは雷、稲妻が天と地を繋ぐ光を出します。雷、稲妻を三碧とします。
季節の変わり目には必ず雷鳴が轟き、天の力で、次の季節の気を大地の土の中に通じさせるのです。不思議ですが、春夏秋冬の終わりには雷様がゴロゴロと音を鳴らしてくるのです。
同じ土気である戊は陽の土用を、己は陰の土用に配当されているのは、それぞれの12支が異なります。戊は辰と戌の陽の気と連携、己は丑と未の陰の気と連携して、太極の流れのバランスを取っていると理解します。
戊と己の土用の力は、<生命体保存の力>が働き、<交流、遊行、発情>が表面に現れる<戊>に対して、<己>は、<交流、遊行、発情>が表面には現れず、内面的、潜在的、水面下で進行して行きます。
陽の現し方と陰の現し方の違いは、表面に出て来るか、裏面の内面的に出て来るかで判断します。己の表現は色彩に薄ネズミ色…とあるように、気持ちの表現も、どちらとも取れる様な話し方と意見を持っている人が多いです。
どちらとも取れる話し方から、優柔不断と思いがちですが、自分なりのしっかりとした信念は保持していますが、<相手の出方次第で如何様にも対応を変えられる>というカメレオン的な性格が身体に流れているのです。
これが、<色情問題、恋愛感情、夫婦関係>に現れて来ると、様々な問題を起こす要因となっているので、<己>を命式に持つ人の場合は<生命体保存の気>も程々にしないと、自らが<崩壊の山崩れ>を受ける事になります。
10干の”己”の象意はどういう意味がありますか?
1 | “紀”を語源。 |
2 | 種子の結実が”戊”で、結実後の種子が成長するエネルギーを”己”とします。 |
3 | 母体に受胎するのが戊,胎児が腹中で成長するのが己。 |
4 | 相手の考えの”たたき台”が出来てから、その”たたき台”の考えを伸ばすか,潰す。 |
5 | 温和で義理と人情を欠かさない。だが野心を抱いた策謀家。 |
6 | 迷い多く乏しい決断力。 |
7 | 決めても断固たる行動を取れず、世間,社会との交際に難生じる。 |
8 | 生殺,生死二道の殺。崩れやすく,善悪二道を司ります。 |
9 | 家族や他人に対して、苦情,不平,不満を投げつけ、家族,家庭内で和合の不足。 |
10 | 転ばぬ先の杖”の注意が疑心暗鬼と心の狭さを作る。ハッとする突飛な行動をとる。 |
11 | 勝負事が好きで巨利を求め小銭は馬鹿にする。 |
12 | 野心を抱かず,堅実方針を定め、物事に従事するのが開運の道。 |
13 | 男女の愛情 芸術 野心 猜疑 |
14 | 非常に不安定だが,外見は落着きの静けさで、自分の考えを無闇に述べない。 |
15 | 穏やかだが、”腹に計略あり”。細事に気がつき,苦情を多く語ります。 |
己は紀から語源が起こり、紀は糸偏に己と分解でき、辞書によれば<糸を巻き取る>と言う説明で、糸製品の糸を巻き取り,改に製品を作り出すと言う意味がある…と言われています。
今迄の製品の糸を解きほぐし,改めて何かの製品として作り上げる様を<己>としたのかもしれません。古着のリサイクルなどで、古い和服から、スカートを作ったり、ジーンズの生地から素敵なベストを作ったりするのも、<己>の力だと思います。
この様な自然の流れが、己の力で、何かを仕入れて何かの形にして販売する力は、鉄を輸入して車を完成して他国に販売するという考えにも似ています。殺して生かす,潰して栄える、生と殺の両方を保持すると言うのが己の力です。 ”生殺二道の力です”。
潰す、崩す、駄目にする…力は<戊>の力が眼に見えて強力ですが、<己>は、じわじわと寝食して来るのです。具体的には、苦情とかケチをつけるとか、柔らかく不平不満を述べてきます。しかも、水面下の行動が多く表面では大人しく振舞っています。いわゆる、<陰口を叩く人>と多少は押さえておくべきですね。
勿論、表面的には<温和で義理と人情を欠かさない人>です。しかし、<野心を抱いた策謀家>でもあります。為す行動が“転ばぬ先の杖”の用心深さがあり、物事を疑心暗鬼で見つめる事が多く、トラブルの原因です。
恋愛問題の場合、素直に取れば良いのに、「きっと、こういう事に違いない、騙されないわよ…」と自らが墓穴を掘って行く事が多いです。己の配偶者には<変な細工をすると二人ともが蟻地獄に入ってしまいます>。
友人、恋人、同僚、商談など自分の考えを先には出しません。相手の考え、相手の値段、相手の企画を聞いてから、その考えが、自分にとって<損か徳か>を判断して、自分に特になる方向へ<相手を誘導>、<相手>に決めさせてしまいます。
もぉ~っ…相手が己だと、疲れるわね!
10干の”己”の現象はどういう物があるのですか?
気質 | 物事は”まとまるが崩壊寸前”、常識の見方が斜めで、変化の為の不安定さがある。 |
人体 | 腹,消化器系統,脾臓 胃腸 幽門 肛門 十二指腸 盲腸 |
人物 | 中年の女,女が隠居,老婆 <自己決定が不安定> |
病気 | 子供の腫物,できもの。消化器の病 |
場所 | 平地,野原,高原、庭,静かな所 |
物象 | 布製品,土器,土で作った物、平地の土 |
雑象 | 住所,仕事,男女縁に変化がある |
転職や転居が多い人の10干を見ると、この<己>が多いです。自分と言うモノを見つめないで、相手が悪い、環境が悪い、住宅の欠陥だ…と相手のせいにしてしまうのですね。
こういう他力本願の考え方から、夫婦の縁も、恋人との縁も、次から次えと変わってしまっています。
<己>は九星では二黒土星が配当されており、二黒土星の特徴として<忍耐>と<忍従>、「我慢する事で開運する」と押さえる事が大切です。
己を命式に持っている人は、相手の動きばかりを気にせず、自分の短所を知り長所へと繋ぐ…と言う<自己改革>を行う事が、<己の開運>となります。
鑑定実例 <己> 30歳独身女性 彼と別れて半年、私は結婚できるのでしょうか?
この方も、<己>を持っていました。別れた原因は、<金銭的のだらしなささ>とあり、結婚資金を貯めようとして二人で通帳を共有しました。ある時に不可解な出金を問い詰めたそうですが、明快な返事が無く、それからは疎遠となってしまった様子です。
僕は、この女性に<己>の特徴を説明、疑心暗鬼が招いた結果の別れ…と話すと彼女も納得された様子。次の出会いを見つける為に、二つの方法を提案、一つは水気法の<お水取り>として、ある神社の湧き水を汲んで来るようにとお願いしました。もう一つは、田舎か地方での農業体験を薦めましたが、時間が取れないと言う事で、女性の実家に出向き、仏壇の前にて、般若心経の読経を頼みました。
数日後、電話があり、般若心経の写経をして、実家のお寺に納めたそうです。まだ良い知らせは来ていませんが、今後の彼女の動きに期待したいと思っています。
最後まで読んで戴き有難うございました。
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