酉酉の自刑が命式にある人の、人間関係の現象と対策 < 例題 転勤 >
ここに例題としてある星の人物に登場してもらいます。仮にSさんとします。
年盤 甲子 七赤金星/ 月盤 癸酉 一白金性/ 日盤 癸酉 七赤金星/となっています。
この場合、月盤と日盤が癸酉で酉酉の自刑を持っていることになります。
当然ながら、話し過ぎの出張りすぎの人と鑑定できます。
残念でした。理論的には合っていますが現実は違います。
日命と月命での酉酉の自刑では、日命と本命ほどの力はありません。要素は十分にあるのですが、変化します、と言うか、このパターンの場合は<やりすぎの制御>ができるのです。
酉の五行は金、金の力を剋するのは火、剋すると言う言葉ではなく、諫める、なだめる、制御する…と言う感じです。つまり午の力が作用する事です。
午は火気の五行で九紫火星が蠢(うごめ)いている所です。人物鑑定の場合は九星の力を当てはめると納得いく言葉が現われてきます。
南の方位を使って転勤してきたSさんは酉酉の自刑を持っているので、さぞかし賑やかな人かなあ…と思っていました。
ところが、電話の応対も丁寧で要領を得ていて、問いかけに対しても知識の豊富さを感じさせています。クレーマーの電話に対しても、受話器を置いた後、捨てセリフでもいうのかと思ったら、淡々と仕事をこなすのです。
そこで、Sさんの星をよく見つめる事にしました。
酉酉の自刑なのに、話過ぎたり、やり過ぎたり…が無いのだろうかなぁ?
日命と月命の自刑だから、体を表す本命の作用には影響がないだろうとは推測はできます。しかしもっと強い作用があるのです。ヒントは以前の勤務先から現在の勤務先への変更の方位でした。
彼は北の勤務先から現在の勤務先は南の午だったのです。つまり九紫火星の方位に転勤してきたのです。九紫火星の象意は、「敬う」がキーワードで、丁寧な応対を求めてきます。
よって、彼が丁寧な応対で、得意先様に敬意を尽くしていたのかと…関心しました。
転勤じゃなくて、もっと簡単な方法はありませんか?し
自刑の象意を諫めるのには、<相剋作用>を使って制御することが出来ます
早く、教えてよ…もぉっ!
例えばSさんの場合、酉酉の自刑だから、七赤の自刑と判断すると、火➡剋➡金となり、火の五行である九紫火星が諫めたり、制御してくれます。
Sさんが丁寧な応対を続けることで、言い過ぎ、やりすぎ、話し過ぎと言う九紫火星が制御してくれたのです。それと転勤先が南の方位だったのも九紫火星の後押しがあったのかとも思われますね。転勤してきて2年、丁寧な応対は相変わらず社内に響き渡っています。
さあ、酉酉の自刑の象意を列挙しますよ…行くよぉ…!
酉 酉 | 何事も、損ねる,損なう,破る,傷つく | |||||
自分で自分を傷つけ、自らが、墓穴を掘り、闘争精神強く,万事がムキになる。 | ||||||
自刑 | 話し過ぎ、言いすぎ、出張りすぎ。 | |||||
何事にも中心的存在感覚で、自我強く、争事が多く、自分を窮地に追い込む。 | ||||||
<怠惰> | “言わなければわからないでしょう…”しかし、相手が傷つく事を判っていない。 | |||||
私が振舞った御馳走だから私を見て…、自分中心の世界、空間に酔いしれ過ぎる | ||||||
話題を投げかけず、自分の事だけを話し、無理やりに聞かせようとしてしまう。 | ||||||
対人関係の破綻、自らに原因。自力開運する努力と熱意が欠落、自覚も無い。 | ||||||
恋愛占における12支の判断では、”心は既に相手の異性から離れている” | ||||||
ケガ、事故の暗示が強い。 |
酉酉の自刑の究極は<怠惰>であり、なまけもの…願望が強くなって来ると押さえて下さい。
恋愛占では、心が既に離れている…と言われるのも怠惰の賜物でしょう…。闘い終わって日が暮れて……の感情が漂ってくるのです。
① 自分で自分を傷つけ、自らが、墓穴を掘り、闘争精神強く,万事がムキになる。
酉酉の場合サンズイ辺に西と書く酒もキーワードです。酉があるから酒が飲めるとは断定しませんが、酒は飲めるが、飲んだ場合の話過ぎが気になり、酉酉の自刑の場合、深酒は自らがしない人が多い気がします。
酒食の宴での失敗は多いです。モラハラ、パワハラ、セクハラ…総てに共通は権力の遂行。普段できない事が酒の力で緩むのです。
乱れた酉酉の自刑には、理屈は通用しません。何かと歯向かってきて、歯向かう材料を探しながら食って掛かって来ます。その場から引き離すのが最善策、頭と身体を冷やさせる事です。
② 話し過ぎ、言いすぎ、出張りすぎ。
この他に、”仕切りすぎ”があるのですが、日命と月命の自刑ならば、影響は小さいです。本命と月命の場合ならば,この人に幹事をさせたら、周りの人達は、ゆっくりと飲み食いはできません。自分の頭の中の世界で駆け巡ってしまいます。葬式は感傷に浸ることなどありません。
③ 何事にも中心的存在感覚で、自我強く、争事が多く、自分を窮地に追い込む。
酉酉の自刑は七変化の自刑と言って、話している蕎麦から予定を変更します。朝令暮改など平気平気、この世は自分を中心として回っている…と思う人が多く、「私に指図する人はだれもいないのよ!」と意気揚々。だから窮地に陥った時、皆さんが逃げてしまいます。
④ ”言わなければわからないでしょう…”しかし、相手が傷つく事を判っていない。
自分が指摘されて傷ついた事は忘れてしまい、指摘されると半狂乱になる事もあるのですが、相手に対しての思いやりが欠落しています。指摘する事が思いやりとも勘違いしています。
⑤ 私が振舞った御馳走だから私を見て…、自分中心の世界、空間に酔いしれ過ぎる
新年会、法事など酉酉の自刑が主賓の立場の場合は更に強烈、初めから終わりまで続くのが、冬場でも氷の上で麦茶を飲んでいる感情があります。それでも、心を開いて近づくと、日ごろの悪行をバッサリと指摘され、まるで裁判所の判事の判決文を聞かされている感じです。
酉酉の自刑が動く処に九紫火星が見え隠れする…と言うのが最近の私の鑑定事例からも理論構築が出来て来ている様なきがしてなりません。
酉酉自刑の人にとっても、周囲の人間にとっても九紫の午の力を如何に利用するかで開運の一つに成り得ます。
⑥ 話題を投げかけず、自分の事だけを話し、無理やりに聞かせようとしてしまう。
積極的に問いかけるのは、卯と辰の力があり、問いかけに受け身の12支は酉と言えます。酉年の女性が水商売に好適と言われるのは会話が受け身だからなのです。じっくりと傾聴されると話す方も満足して酒も飲み干したくもなります。
ただ、酉酉の自刑の場合だと、傾聴しすぎる場合が多いのです。相槌を打つとか、時々は、「どうして?」とか、「何故なの?とか問いかけをすることが必要です。
⑦ 対人関係の破綻、自らに原因。自力開運する努力と熱意が欠落、自覚も無い。
<自力開運する努力と熱意が欠落、自覚も無い>とあり、本命酉年の人は護符とかお守りを欲しがります。 酉の刻は夕方5時から7時頃で、夕陽が落ちて暗闇が迫ってきています。怖さの不安を何かに託しているのです。
酉酉の自刑は、このお守りとか、護符とかに依存する力が極端に激しい…と理解するのです。信仰として、モノを崇拝すると言う伽藍信仰と言うのがありますが、まさに酉酉の自刑の人達は、守護するもの、開運するもの、吉に向かうものに対して熱意を注ぐのです。
その結果、対人関係が破綻しても意に介せず、ひたすらに、護符とかお守りにすがるのです。
⑧ ケガ、事故の暗示が強い。
酉酉の自刑は鶏目が過ぎる…とも言われており、夕暮れとか暗闇の中で視力が劣化する事があります。帰宅しようとして、店じまいの時に店内の電気を消した途端に歩いたら、階段の足を踏み外し転倒してしまったなどの例があります。
酉酉の自刑に限らず、総ての自刑は、この「あると思い込んでいるものが無かった」と言う事が現象として現れて来るのです。
私はこの象意が認知症へと導く気がしてはなりません。短期記憶障害は忘れる事が原因とされていますが、そこに、あそこに、あると思っているものが無くなる…と言う事実を認識する必要があります。忘れる事を自分で責めないで、忘れるのは仕方がない…、と思い切り何事も、あるとかないとかの「思い込みをしない」ということが大切かと思っています。
最後まで読んで戴き有難うございました。
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